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花粉の季節が来て、長屋は新聞記事で大騒ぎ

えー、花粉の季節でございますな。スギ花粉が飛んできてな、クシャンクシャンってなもんです。あたしは、あんまりよくわからないんですが、隣の八なんてのは、ひでー花粉症で、毎日毎日、涙流してますな。八のやつなんか、スギ花粉の季節になると、スギの木のところにいって、五寸釘打ってますな。早く、スギなんざ枯れっちまえてなもんです。

まあ、なんですな、スギに罪がある訳じゃないですな。戦後、焼け野原になったから復興のために、官民あげてスギを植えてきたんですな。スギにしてみればいい迷惑で、
「てやんでえ、おめえらが植えたんじゃねえか、おれたちゃよ、植えてくれなんて頼んだ覚えはねえんだよ」
なんて言いたいところでしょうな。


そこへ、八が大あわてで入ってきます。
八「隠居、隠居、てえへんだ、てえへんだ」

隠「どうしたんだい、八、おちつけよ」

八「おお、隠居、いたのかい。何でこんなところにいるんだい」

隠「大きなお世話だよ、ここはあたしん家だよ。あたしん家にあたしがいて何が悪い」

八「相変わらず、訳のわからない理屈いいやがる、じじいだぜ」

隠「何言ってるんですか、ところで、どうしたんですか」

八「おうよ、今日の○日新聞にな、ひでーことが書いてあるのよ。スギが地球温暖化に役に立ってるってんだよ。おめーこんなにおいらのこと、花粉症で悩ませているくせによー、偉そうなこと言うんじゃねえってんだよ」

といって、八が隠居に今日の○日新聞を渡します。
隠「なになに、植えたばかりのスギは一年で9トンの二酸化炭素を吸収するけれど、ブナ、ナラの天然林は3トンだって。ほー、これじゃ、確かに、スギが世の中の温暖化防止に役に立ってるように見えますね。ブナ、ナラの天然林切って、スギを植えろってことになりかねない。けしからんな。でも、よおく考えればインチキも甚だしいね」

八「なあ、だろう。ところで、どこがインチキなんだい」

隠「いいですか。植えたばかりのスギと、天然林を比べるのはインチキだね。植えたばかりというのはみんな元気な木ばかりだから、威勢がいい。枯れる木もないね。だから、二酸化炭素を吸って、どんどん大きくなるんだ。ところが、天然林ってのは、大きい木ばっかりだから、枯れる木もあるんだ、だから、枯れた木は二酸化炭素吸わずに、二酸化炭素になるからね。若くて威勢のいい木と、年寄りで老成した木を比べちゃいけねえ。
若い木同士で、二酸化炭素の吸収量を比べなきゃいけません。そうじゃなきゃ、インチキです。でもね、同じ若い木で比べたらね、スギはそんなにに酸化炭素を吸収している訳じゃないんですよ。スギの若いのは確かに成長は早いけど中はかすかすですからね、二酸化炭素を吸収していることにはなりませんね。
こんなね、林野庁の役人の言うことだけで記事を書くから、恥をかくんですよ。あたしみたいな隠居にさえ、嘘を見破られるんです。新聞記者も、もっと、自分の頭で考える癖をつけなきょいけませんね」

八「おお、隠居にしてはいいことを言うね。やっぱり、スギは切った方がいいだろう」

隠「そこまで、極端なことを言うことはないでしょう。いままで、官も民もスギを植えましょうって言ってきたんだから、スギが全部悪いって訳じゃないんですよ。だから、全部切る必要はないですよ」

八「そんなもんかね。まあ、でも隠居の話聞いて、スギが温暖化防止に役に立っている訳じゃないってことがわかって安心したよ」

ってなことで、朝から八が来て大騒ぎです。まあ、こうやっって、古い木は役に立たないってことを言うんですな。暗に、人間だって、年寄りは役に立たないってことを言いたいんでしょうな。気をつけないと、どんな言いがかりでもつけて、年寄りをいじめるのが今の世の中なんですよ。くわばら、くわばら。気をつけないとね。あたしは、なるべく目立たないようにしてますがね。
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by garumaru | 2006-02-05 15:32 | エコロジー
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隠居の研究所
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登場人物
隠居

八五郎=隠居の隣人、植木職人

熊吉=隣人、大工

電気ポット=主人公
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