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カテゴリ:連載小説( 1 )

八が間氷期君に会う

八「おぉい、隠居、いるかい?」

隠「おや、八かい、どうした?」

八「いやね、さっき、そこんとこでさ」

隠「そこんとこじゃわかりませんよ。どこですか?」

八「いや、三丁目の角にあるごみ捨て場の近くさ」

隠「ほうほう、あそこですか」

八「そこんとこで、しくしく泣いているヤツがいるのさ」

隠「ほぉう、それで?」

八「それで、おいらがさ『おい、兄さん、何泣いてんだい』って声をかけたんだよな」

隠「はい、それで?」

八「『あっしは、間氷期ってもんです。このごろ、温暖化のやろうが幅を利かせて立場がないんです』って、言いやがるんだ」

隠「それで?」

八「それで、おいらは『ほう、そうかい、おいらもカンピョウ巻きよりは鉄火巻きのほうが好きだな』って言ったら、ますます泣き出してな」

隠「間氷期ってのは、かんぴょう巻きとは違いますからね」

八「それで、かんぴょう巻きの野郎を連れてきたってわけよ。ほら、かんぴょう巻き、隠居に挨拶しないか」

間「あっしはかんぴょう巻きじゃなくて、間氷期なんですけどね」

隠「おやおや、あんたが間氷期君かい。良く来たね。あたしもね、この前、氷河期君にあったばっかりですよ」

間「きのう、氷河期君がやってきて、温暖化のおかげであっしたちの立場がないなんて言うんですよ。なにしろ、人類ってのは過去、何万年にもわたって、あっしたち、氷河期や間氷期に生命を左右されていたんですよ。ちょっと前まで、学者さん達は氷河期がいつ来るかなんて心配してたんです。あっしたちが人類の将来の命運を握ってたんですよ。それなのに、このごろは、温暖化の野郎ばっかり目立ちやがって。温暖化の野郎が人類の将来の命運を担ってるなんて言うんですからね。あっしたちは忘れられたんですよ」

隠「しょうがないよ。学者ってのは、目の前の利益しか考えないからね」

間「それにしても悔しいじゃありませんか。何とか、仕返しをしたい。あっしたちの実力を人類に見せつけたいです。じゃあ、失礼します」

八「おや、かんぴょう巻きの野郎出て行ったね」

隠「この前は氷河期君にあったし、今日は間氷期君に会いましたね。どうなるんですかね。地球は」
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by garumaru | 2008-03-21 23:47 | 連載小説




隠居の研究所
by garumaru
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登場人物
隠居

八五郎=隠居の隣人、植木職人

熊吉=隣人、大工

電気ポット=主人公
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