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いたこコンサート

えー、いたこという人がいますな。恐山というところにいるそうなんですが、亡くなった人を呼び出すことができるそうです。亡くなった人が、いたこさんの口を借りて、いろいろしゃべるんだそうです。

まあ、そんなわけで、亡くなった方ってぇのは、たくさんいます。まあ、当たり前なんですが、いままで、生きてきた方はたいてい亡くなっているんですな。たまには、えー、世の中も広いですから、生きていたのに、亡くならなかった方もいるかもしれませんが、ほとんどの人が亡くなっている。

そんなわけで、亡くなった方を呼び出して見たいなんて人が出てくるわけです。

それでですな、えー、ポール・マッカートニーとリンゴ・スターを恐山に呼んで、そんでもって、いたこさん二人にきてもらって、二人のうち、一人はジョン・レノン、もう一人はジョージ・ハリソンを呼び出してもらったらいかがなもんでしょうな。

生きてる人二人と、いたこさん二人のジョイント・コンサートになります。なんとなく、お経を読んでるようなコンサートになるかもしれませんが、観客は集まるんじゃないですかね。地域活性のためになんて言えば、青森県ががんばるんじゃないかと勝手に思うのであります。

八「おっ、隠居、いつになくいいアイデアだよ。いたこで死んだ人を呼び出すってのはいいアイデアだ」

隠「でしょう。で、八は誰を呼び出したい?」

八「おいらはね、チー・レックスだ。マーク・ボランな」

隠「じゃあ、あたしはフランク・ザッパがいいね」

八「マーク・ボランとフランク・ザッパの共演てのはすごいね」

隠「ああ、でも、恐山まで行くお金がないね」

八「ああ、本当だ。いたこの出前出張があるといいねぇ」

隠「そんなものがあるはずないか」

八が帰りました。

まぁ、そんなわけでね、亡くなった人をこっちの都合で、呼び出しちゃいけませんな。あっちの世界もいろいろ事情があるでしょうからね。よい子は真似をしないように。
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# by garumaru | 2006-02-12 18:47

とさかのあるティラノザウルス

えー、中国でとさかのあるティラノザウルスがみつかったそうでして。ティラノザウルスの仲間としては、最古のものらしいですなあ。

八「おい、隠居、いるかい?」

隠「あたしを呼ぶのに、「おい」はないだろう。もう少し、ていねいな言い方ができないのかい八は」

八「まぁ、気にするなよ。本人も悪気があるわけじゃないんだから」

隠「本人ってのは、おまえさんだろう。何を言ってるんだろうね、本当に。で、なんの用だい」

八「おう、それよ。隠居ん家の新聞を読んでた娘がね、恐竜にとさかが付いたって言うんだよ。それを聞いたおいらがね、「恐竜ってのは、ゴジラみたいなもんだろう。ゴジラにとさかはないだろう。とさか付いたゴジラだったら、鳥みたいで、空飛んじまうじゃねえか」って、娘に言ったら、恐竜と鳥は近いのよって娘が言うんだ。そらあ、おかしいってんで、隠居のところに聞きに来たわけよ」

隠「そうそう、最近、とさかの付いたティラノザウルスがみつかったそうだよ。だから、娘さんの言ってることは正しいよ」

八「ほう、そうかい、おいらの娘にしては上出来だ。ところで、なんだい、そのティ何とかってのは?」

隠「ほれ、「ちるどれん おぶ れぼるぅしょん」って歌ったバンドがいたねぇ」

八「おうおう、チー・レックスな」

隠「T・レックスです。チーと発音すると、田舎もん丸出しですよ」

八「(ちょっと顔を赤らめて)そうかい、恥ずかしいね。そのチー・レックスがどうしたい」

隠「あのTがティラノザウルスです」

八「ほう?」

隠「ティラノザウルスにもいろいろな仲間がいましてな。その中で、一番有名なのがティラノザウルス・レックスなんです。だいたい、今から、8500 - 6500万年前に生きていたんです」

八「じゃあ、今度中国で見つかったのは、その仲間ってことかい」

隠「そうです。とさかが付いているんですね。羽毛も付いているってから、鶏みたいだったんですかね」

八「いつ頃、生きてたんだい」

隠「1.5億年前ってぇから、ずいぶん昔だ」

八「おいらは、まだ生まれてないな。そのころ生きていたのは、隠居だけだね、この長屋にいる人間のなかではよ」

隠「そうですねえ、あたしだけですかね。(はっと、気がついたように)何を言ってるんですか。また、年寄りを馬鹿にして、あたしは、1.5億年の0.00004パーセントしか生きてません」

八「ほう、意外と若いね」

隠「その通り、あたしはね、若いの」

隠居と話していてもおもしろくないのか、八は、帰ります。


なんだかんだ言って、エー、八のヤツ。娘が賢いって自慢に来たようなもんだなあ。それにしても、あたしの新聞勝手に読みやがって。ほんとに、あたしはいつも八の娘の後に読んでるよ。でもね、字の読めない八も娘が読んでくれるから少し賢くなったろうね。

そんなわけでね、とさか付きのティラノザウルスを見つけたのがね、中国とアメリカのチームだってんだね。アメリカ人は恐竜好きだからね。日本人だって、アメリカ人に負けないくらい恐竜が好きなんだから、今度はもっと、びっくりするような恐竜の化石を日本人が見つけてくれるといいね。
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# by garumaru | 2006-02-11 08:33

人口が減ると年寄りが邪魔だってかい

えー、少子化でしてな。ほんでもって、人口が減ってるんだそうで。みんな大騒ぎですな。なんでも、国立社会保障・人口問題研究所っていうのがあります。いいですな、いろんな研究所があるんです。しかも、国立ってのがいいですなあ。だからといって、国立市にあるわけじゃないんです。お国さんという、明治時代の偉人が立てたから国立なんですなあ。あたしの隠居研究所も国立をつけてみたい。どうして、明治のお国さんはあたしのために国立隠居研究所をつくってくれなかったんだろって、恨んじゃいますよ。

ああ、また、八の野郎がこっちに来ますよ。あいつが来ると、ろくなことがないね。

八「おっ、隠居いるかい?」

隠「いるよ、いちゃ、悪いかい」

八「悪かないけど、もう少し、愛想のある返事ができねえのかよ」

隠「悪かったね、愛想がなくて、あたしはね、インテリだからね。インテリはね、愛想があっちゃいけないの。ちょっとでも愛想があったらね、銀行に定期預金にしてしまっとくのがインテリってもんだ」

八「はんっ、また、訳のわからないことをいいやがるぜ」

隠「ところで、なんのようです」

八「あのさ、娘がいうにはね、今の時代、少子化で、人口減少で、年寄りが増えてってね、問題が多いんだってね。でね、娘が言うには、隠居は年寄りだから、何とかしろって。おいらや、娘が払ってる国民年金のお金が隠居の年金になるんだから、少し返してもらえって言うんだよ。なぁ、おいらの娘は賢いだろ。少し、金返せよ」

隠「なぁに、言ってるんですか。馬鹿いっちゃいけないよ。あたしのもらってる年金はね、あたしが奉公に出た頃から少しずつ払ってきたお金なんだらか、八なんかに払う金は一銭だってありません」

八「けちっ」

そういって、八は帰って行きます。

えー、まあ、そういうわけでですな、年寄りを馬鹿にしちゃいけない。ところが、国立社会保障・人口問題研究所でも年寄りを馬鹿にすることが書いてあるんですなあ。こんなことが書いてある。
「高齢化が進むことで年金、医療、介護などの社会保障費が増加して、国民の負担が増大することも懸念されています。ただし、経済や生活は人口だけで決まるものではないので、そうした懸念を実現させないための工夫を国、自治体、企業をはじめ国民全体が協力して築いて行けるかどうかが重要な点です」

年金、医療、介護にお金がかかるってぇのは、年取ると、やっかいなことばかり起こすってぇことじゃねぇのかい。そんなに、年寄りが増えちゃ、いけねぇのかい。なんて、タンカを切りたくなるねぇ。
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# by garumaru | 2006-02-10 18:10

金は天下の回りもの

えー、お金ってものは、人から人へと回りますな。銀行なんかそうですな、人様のお金を預かって、そのお金を運用して、儲けた分を利子として、お金を預けてくれた人に返しますな。そんな風に、お金というのは回ってる。いま使っても、きっと、帰って来いよーっていって、お金が帰って来るのを待っているんです。

えー、だから、お金を預かる銀行の人がずるをしてはいけませんな。人様から預かったお金を使ったり、銀行に預けている人の名前や住所を、他の人に教えてはいけませんな。変な人に教えると、ああ、あいつは、あの銀行に預けているから金があるな、よし、泥棒に入っちゃぇなんて思われてしまいます。そんなわけで、銀行の人がずるをするとお金が回らなくなります。

八「おっ、隠居、いるかい」

隠「おう、八かい。今日はどうした。仕事はないのか」

八「これから行くところよ。その前に、隠居が、この寒さで死んでんじゃないかって娘が言うもんだから見に来たのさ」

隠「あたしは、ぴんぴん生きてますよ。まったく」

八「それでね、娘が言うには、銀行の人がね、預けている人の住所とか、名前を、変な人に教えて警察のご厄介になってるって言うんですよ」

隠「ああ、そうそう。そんな事件が最近起きましたね」

八「そんでね、隠居が心配してね、銀行に預けているお金を、おろしたんじゃないかって。そんで、家の中にしまいこんでんじゃないかって。それでね、隠居の家は物騒だから、お金をしまっとくと盗まれるかもしれねえ。だから、うちで預かってあげようって、かかぁと相談したんですよ」

隠「お前に似合わず優しくて、気が利く奥さんだね、でもね、あたしはね、銀行にお金なんか預けてないんです」

八「うん、じゃあどうしてんの。家においてるんなら、おいらが預かるよ」

隠「(涙目で)口も顔も悪いけど、いいヤツだねえ。あたしのお金のことを心配してくれて」

八「そうよ、おいら、心配なんだぜ。さあ、金よこしな」

隠「それがね、あたしは貯金がないんだよ。だから、お金が一銭もない」

八「しょうがねえなあ。他を当たるか」

なんてんで、八がいってしまいました。まあ、銀行がね、横領したり、預金者の情報を流したりするとね、それに、ペイオフのこともあるし、なんだか、自分家の箪笥に現金をしまっておく気持ちはわかりますね。そんな、箪笥預金をねらうヤツもたくさんいるからね、危なくてしょうがないよね。銀行もしっかりしてもらえないかね。
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# by garumaru | 2006-02-09 18:56 | エコロジー

都会に人が集中するんだってね

えー、あたしがホームページによく行く国連のホームページで世界人口が推計できるんですがね。ここでは、ですな、国別の人口も推計できるんです。

まあ、たとえば、日本を調べてみると、2030年には、1億2千万人と出てくるんですな。ところで、その時の都市の人口はってえと、9千万人です。ってえことはですね、3千万人が田舎に住んでいるってことです。だから、ですなあー、えー、約四分の三が都会に住んでいるってェことになります。2005年現在の統計だと、だいたい三分の二が都会に住んでいますから、2030年になると、今よりも、もっと多くの人が都会に集中して住んでいることになります。ということはですなあー、日本全体の人口はどんどん減っていくのに、都会の人口は増えていくってことなんです。

八「おう、隠居、いるかい?」

隠「ああ、八かい。どうだい、商売のほうは?」

八「スギ花粉が多くなったら、こっちとら商売、あがったりだぜ」

隠「まあ、本当にね、お前さんは、運が悪いね。腕のいい植木職人なのにね。スギ花粉症なんだもんね。これからの時期、商売あがったりだね」

八「まあ、気にするない、何とかなるさ。それよりよ、聞いたかい、この国は人口が減ってるんだってね」

隠「おお、日本も捨てたもんじゃない、お前さんみたいに学のない人間でも、人口問題を考えてるんだねぇ」

八「よせやい、照れるぜ。それより、人口が減るとどうなるんだい。なんか、変なことでも起こるのかい?」

隠「まあ、なんですよ、変なことが起こるというよりですね、私の研究によるとね、田舎の人口が減って、都会の人口が増えるんですよ」

八「じゃ、この辺は、大丈夫だな。人口が増えるな。都会だからな」

隠「冗談じゃないよ。何を言ってるんですか。長屋の周りを見てごらんよ。田んぼと畑だらけだろう。それに、雑木林も多い。こんなところは都会とは言わない」

八「じゃあ、この辺もどんどん人口が減ってくの?」

隠「そうだよ」

八「でもさ、うちだって、子供が三人もいるし、隠居だって子供二人居たじゃねえか。ちゃんと、子供は増やしているよ」

隠「でも、うちはふたりとも、こんな田舎じゃ、金稼げねぇって都会に出て行っちゃったよ。八のところだって、今は小さいからいいけど、大きくなったら出てくんじゃないの」

八「おっと、それで、これからは、田舎の人口が減って、都会の人口が増えるんだな」

隠「そう、まあ、前から、そうだけどね。この国は人口が減るって言ってるけど、減るのは田舎で、都会はまだまだ、増えていくんだよ」

八「じゃあ、大変だな。防犯パトロールとか、消防団とかね、そんなのができなくなるのかな。そうしたら、治安が悪くなるね。それに、おいらの仕事も減るじゃないか、こら、大変だ。おっかぁに教えてやんなくちゃ」

そういって、八は慌てて、家に戻ります。


えー、それで、田舎が人口の減少に負けないようにするためにはどうしたらいいか、あたしは考えましたね。あー、それはってぇとですね、昔からいる、お化けを田舎に住ませて、地域の住民と協力させて村を守ったらいいんじゃないかってね。

そこで、問題が一つある。お化けってのは、どのくらいの数がいるんだろうってね。ゲゲゲの鬼太郎の歌にあるね、「お化けは死なない」って。ってことは、減ることはないと。まあ、時々、悪いことをして、鬼太郎にやっつけられるお化けもいるから、少しは減ってるんだろうけど、そんなに多くない。で、増えることはあるんだろうかっていう疑問もあるね。たとえば、妊娠したお化けとか、お化けの出産ってのはあるんだろうか。これが、よくわからない。ゴジラはミニラって子供がいるけど、お化けじゃないからな。

それでね、お化けに、防犯パトロールや消防団に入ってもらうんですね。田舎から人がいなくなるから、空き家も増えるでしょ。そんで、お化けにゃ、そこに住んでもらう。お化けだって、自分の地域だと思うから治安の維持にも真剣に取り組んでくれるだろうと思うんですがね。

そこまで、考えて、ふと、不吉な予感が通り過ぎたんですなぁ。えー、あー、お化けが住んじゃうと、あそこにゃお化けが出るって、ますます、人が来なくなるかもしれないですなぁ。そうなると、田舎の人口問題の解決にはなりません。うーーん、下手な考え休むに似たり。

というわけで、これから、日本の人口問題を解決するには、お化けとの共存は、いい方法だと思うんですが、問題も多いって言う噺でした。お粗末。
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# by garumaru | 2006-02-08 19:06 | 人口問題

看板はケヤキの無垢板で

八「おう、大工の熊が、隠居の家の前でとんとん金槌を打ってやがるなあ。傍らで隠居が、偉そうに指図してらあ、あいつら、何やってんだ、ちょっと、いってみよう」

隠「ああ、熊さん、もう少し、右だ。いや、左、ああ、そこそこ、そこに釘打ってくれ」

八「おうおうおう、できの悪のが二人で何やってるんだい」

隠「ああ、八かい。できの悪いだけ余分ですよ。いやね、やっぱりさ、隠居研究所って看板が必要かなっと思ってね、熊さんに頼んで看板を、玄関に打ち付けてもらってるのさ」

八「おい、玄関に釘なんか打っちゃ、家が壊れるんじゃないか。安普請の家だからなあ」

隠「あたしも、それが心配でね。小さい看板にしたんですよ。大きい看板だとね、重みで家が壊れるんじゃないかと思って」

八「とか何とか言いながら、大きい看板を買う金がなかったんだろう。なあ熊」

熊「へへへ、隠居がね、ケヤキの無垢で看板作りたいって言ったんですけどね。最初はでけえのっていってたくせに値段聞いたら、だんだん小さくなってさ、この大きさよ」

八「ほお、これじゃ、表札と同じ大きさで、うんと薄い板だ。経木くらい薄い」

熊「隠居が、どうしてもケヤキって言うもんだからね、カンナクズで作ったんです。だから、この看板、釘で打たなくたって、画鋲で十分なんです」

八「なんだい、カンナクズの看板かい」

隠「経木より薄いってことはないでしょう。倍はありますよ。すばらしい看板ですねえ。えー、字がまたいいねえ。味がある」

八「こりゃ、隠居の字かい。きったねえなあ、おいらんとこの五歳の娘が書いた字よりきたねえや」

隠「まあ、何でもいいんです。これで、形が整いました。これでいいんです」

てなわけで、隠居研究所に看板ができたって噺です。
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# by garumaru | 2006-02-07 09:04

隠居の自己紹介

えー、そういうわけでですな、自己紹介するのを忘れてましてな。遅ればせながら、あたしのことを少し話そうかと。名前はね、エコロじじいってんです。エコロジーとじじいをかけたんですな。単なるダジャレです。

エコロジーってんですか、まあ、環境って言うんですかね、そんなことにちょっと興味がありましてね、えー、まー、若い頃は、東南アジアですとか、まあ、いろんなところの森林を見て回ってですなあ、あー、その、木なんかをちょっとずつですな、植えたりしたんですな。そんなんで、少しばかり、エコロジーってもんに興味といいますか、気にするようになったんです。それに、今、はやりなんでエコロジーのことを書いておくと注目されるかなっていうやましい心も少しあります。

まあ、あたしはね、隠居って隣の八からは呼ばれているけどね、隠居生活をしているわけじゃないんですよ。ほんのたまあにですけどね、働くこともあるんです。野菜作ったりね。

まあ、たぶん、あたしは、インテリだし、よく本なんか読んでるから、八の野郎がね、隠居って言ってるんだと思いますがね。まあ、隠居が、あたしのあだ名だと思ってください。エコロじじいは私のペンネームってとこです。そんなんでね、隠居の研究所ってことで隠居研究所です。隠居って名前が付くくらいで、年寄りのこととか、人口問題とか、エコロジーのことが話題になると思います。

そんなところへ、急に八が来ます。
隠「(急に八が現れたのでびっくりして)おお、八、どうしたい、何しに来たんだ?」

八「何しに来ただって。黙って聞いてりゃ、インテリだの読書家だから、隠居って呼ばれてるだって。自分のことを誉めやがって。おいらはインテリだから、隠居って呼んでるんじゃねえんだよ。いつも家ん中にいて、じじくさいことばっかり言ってるから隠居って呼ぶんだ。もう少しさ、外に出て、体動かしたらどうだい」

隠「馬鹿者、インテリは家の中に引きこもるもんだよ」

八「おうおう、また、陰気くさいこと言って、今度から隠居じじいって言わないで、陰気じじいって呼ぶよ」

隠「あたしの名前をちゃんと呼んでくださいよ。エコロじじいってんだ」

八「おっ、いつからそんなへんてこな名前になったんだ」

隠「今日、そういうことに決めたんです」

八「へん、そうかい、こんな陰気じじいにゃ、つきあいきれねえな。じゃあ、おいらは仕事に行ってくらあ、ずっと、家に引きこもっていられるってのはいい身分だな、エロじじい」

隠「(出て行く八を追いかけながら)これこれ、エロじじいじゃないよ。エコロじじいだよ。・・・・・ああ、いっちまいやがった。八の野郎は本当に人の話を聞かないねえ。長屋の連中にあたしのことをエロじじいって言いふらさなきゃいいんですけどね。そんなことになったら大変ですよ」

まあ、そんなわけでね、簡単な自己紹介でした。
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# by garumaru | 2006-02-06 19:03

花粉の季節が来て、長屋は新聞記事で大騒ぎ

えー、花粉の季節でございますな。スギ花粉が飛んできてな、クシャンクシャンってなもんです。あたしは、あんまりよくわからないんですが、隣の八なんてのは、ひでー花粉症で、毎日毎日、涙流してますな。八のやつなんか、スギ花粉の季節になると、スギの木のところにいって、五寸釘打ってますな。早く、スギなんざ枯れっちまえてなもんです。

まあ、なんですな、スギに罪がある訳じゃないですな。戦後、焼け野原になったから復興のために、官民あげてスギを植えてきたんですな。スギにしてみればいい迷惑で、
「てやんでえ、おめえらが植えたんじゃねえか、おれたちゃよ、植えてくれなんて頼んだ覚えはねえんだよ」
なんて言いたいところでしょうな。


そこへ、八が大あわてで入ってきます。
八「隠居、隠居、てえへんだ、てえへんだ」

隠「どうしたんだい、八、おちつけよ」

八「おお、隠居、いたのかい。何でこんなところにいるんだい」

隠「大きなお世話だよ、ここはあたしん家だよ。あたしん家にあたしがいて何が悪い」

八「相変わらず、訳のわからない理屈いいやがる、じじいだぜ」

隠「何言ってるんですか、ところで、どうしたんですか」

八「おうよ、今日の○日新聞にな、ひでーことが書いてあるのよ。スギが地球温暖化に役に立ってるってんだよ。おめーこんなにおいらのこと、花粉症で悩ませているくせによー、偉そうなこと言うんじゃねえってんだよ」

といって、八が隠居に今日の○日新聞を渡します。
隠「なになに、植えたばかりのスギは一年で9トンの二酸化炭素を吸収するけれど、ブナ、ナラの天然林は3トンだって。ほー、これじゃ、確かに、スギが世の中の温暖化防止に役に立ってるように見えますね。ブナ、ナラの天然林切って、スギを植えろってことになりかねない。けしからんな。でも、よおく考えればインチキも甚だしいね」

八「なあ、だろう。ところで、どこがインチキなんだい」

隠「いいですか。植えたばかりのスギと、天然林を比べるのはインチキだね。植えたばかりというのはみんな元気な木ばかりだから、威勢がいい。枯れる木もないね。だから、二酸化炭素を吸って、どんどん大きくなるんだ。ところが、天然林ってのは、大きい木ばっかりだから、枯れる木もあるんだ、だから、枯れた木は二酸化炭素吸わずに、二酸化炭素になるからね。若くて威勢のいい木と、年寄りで老成した木を比べちゃいけねえ。
若い木同士で、二酸化炭素の吸収量を比べなきゃいけません。そうじゃなきゃ、インチキです。でもね、同じ若い木で比べたらね、スギはそんなにに酸化炭素を吸収している訳じゃないんですよ。スギの若いのは確かに成長は早いけど中はかすかすですからね、二酸化炭素を吸収していることにはなりませんね。
こんなね、林野庁の役人の言うことだけで記事を書くから、恥をかくんですよ。あたしみたいな隠居にさえ、嘘を見破られるんです。新聞記者も、もっと、自分の頭で考える癖をつけなきょいけませんね」

八「おお、隠居にしてはいいことを言うね。やっぱり、スギは切った方がいいだろう」

隠「そこまで、極端なことを言うことはないでしょう。いままで、官も民もスギを植えましょうって言ってきたんだから、スギが全部悪いって訳じゃないんですよ。だから、全部切る必要はないですよ」

八「そんなもんかね。まあ、でも隠居の話聞いて、スギが温暖化防止に役に立っている訳じゃないってことがわかって安心したよ」

ってなことで、朝から八が来て大騒ぎです。まあ、こうやっって、古い木は役に立たないってことを言うんですな。暗に、人間だって、年寄りは役に立たないってことを言いたいんでしょうな。気をつけないと、どんな言いがかりでもつけて、年寄りをいじめるのが今の世の中なんですよ。くわばら、くわばら。気をつけないとね。あたしは、なるべく目立たないようにしてますがね。
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# by garumaru | 2006-02-05 15:32 | エコロジー

はじめのご挨拶

あー、えー、隠居研究所ってがありましてな、まあ、あったわけじゃなくて、あたしが作ったんでしてな、横丁のところをまっすぐ行って、右に曲がって、左に曲がって突き当たりの三軒目の長屋にあります。

まあ、そんなわけでございまして、隠居が語る隠居の研究成果をですな、すこし、語ろうかってもんでございます。まあ、時間はありますからな、たくさん書きたいと思うんですが、まあ、あー、うー、そのお、なんですな、すこしずつですな、書いていこうかなってところです。

この頃は、なんですなあ、年寄りは早く死ねえって感じでね、ぶっそうですな。年金なんてそうですな。若いのが少なくなるから、年金なんて払えねえよ、なんて言われます。年金がないんだから、年寄りは早く世の中からいなくなれよって、嫌みばっかり言われますな。そんなことをいってもですな、あたしは若いときに、年取ってから楽できるように今は、我慢してくれよってな風に言われていたんです。だから、年金もな、いやいや払っていたわけで。

まあ、なんです、これからは、年寄りが増えますからな、年寄りが多数派になりますんでな。今の若い人だって、あと、四、五十年もすれば立派な年寄りになるわけで、いま、二十代よりも上の年の人はみんな、年寄りの同士って事になります。

というわけで、隠居研究所の始まり、始まりでございます。
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# by garumaru | 2006-02-05 14:32




隠居の研究所
by garumaru
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登場人物
隠居

八五郎=隠居の隣人、植木職人

熊吉=隣人、大工

電気ポット=主人公
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