最初は、八が三人重ねの席という券を持ってきたので、東京ドームでローリングストーンズが聞けると思っていたのです。それが、どうも騙されていたみたいで、八が反省したのか、さいたまスーパーアリーナの券を持ってきたのです。しかも、今度は一人が一つの席に座れるという券です。
まぁ、重なって座る券を持ってきた人がいたり、前座がいたりして、いろいろと問題はあったのですが、なんとか、七時半には本物のローリングストーンズが始まりました。
じゃじゃじゃーん、じゃあん、じゃっちゃ
じゃじゃじゃーん、じゃあん、じゃっちゃ
ていうギターの前奏が始まるとメンバーが出てきて、ジャンピングジャックフラッシュが始まりました。続いて、イッツオンリーロックンロール、レッツスペンドザナイトトゥゲザーとおなじみの曲を歌ってくれます。
隠「しかし、小さいですね」
神「しょうがないでしょ。一番安い席で遠くから見てるんだから」
隠「それにしても、ミックがアリみたいに見えますよ」
八「そんなことはないだろう。せめて、カブトムシくらいには見えるよ」
神「カブトムシに見えるってことはない。カブトムシはビートルズだもの。これは、ローリングストーンズだからね」
とまあ、そんなわけで、アリみたいなミックが、へんてこな高い声で、「いっしょにいうたってえ」なんて、まるで外人みたいな日本語をしゃべるのです。
隠「なんだろうね、あの変な日本語は。まるで、外人みたいだ」
神「当たり前だろう。いくらミック・ジャガーだって、日本にいるときは外人だろうよ」
隠「まぁ、考えてみれば、ミックジャガーは日本人じゃないし、いいのか」
懐かしい曲が続いて、涙なしには聞けないのです。あそうそう、名曲ワイルドホーセズもありました。思いつくままに、書くと、えー、黒くぬれ、ブラウンシュガー、ミスユー、エモーショナルレスキュー、悪魔を哀れむ歌、ホンキートンクウイメン、えー、あー、あとは何がありましたかね。もう、忘れています。
東京ドームでは、アズティアーズゴーバイも歌ったそうですが、さいたまでは歌わなかったですな。それにしても、マリアンヌ・フェイスフルって、いまは何歳なんでしょう。
ストリートファイティングマントか、ギミーシェルターとかはないですね。あたしは、個人的には、ダンデライオンを聞きたかったですね。あっ、ルビーチューズデイとか、アンダーマイサムとか、聴きたい曲は沢山あるんですがね。
さすがに、よけいなおしゃべりもなく、曲を聴かせてくれます。難を言えば、音響が非常に悪いことでしょうか。とにかく、あたし達は、アリーナの天井に近い席にいるんですが、あっちこっちに音が響いて、何がなにやらわからなくなります。
アンコールの一曲目は、ゆーきゃんとおーるうえいずげっとわちゅううおん。これは、たしか、無情の世界という日本名が付いていたと思います。二曲目はサティスファクションです。この曲で、終了です。
そんなわけで、無事終了しました。駐車場に戻ったら、冷蔵庫と電気ポットもいました。また、みなでトラックに乗って帰ります。
神「(隠居に向かって)何、さっきからため息ばっかりついてんのさ」
隠「いやね、これで、一年で一番楽しいことがすんだかと思うとさ、さみしくて、後の時間をどうやって過ごしたらいいんだろうとおもうとさ、ため息しか出ないじゃないか」
神「なにいってんだよ。せっかく楽しい思いをしたんだから、もっと、嬉しそうな顔をしなよ。あんな高いコンサートに行ったんだから、楽しい顔をしないともったいないよ」
隠「ふう、そうですかね」
まぁ、そういうわけで、コンサートが楽しかっただけに、帰りが寂しかったのであります。